さたてんぷら作り体験

    食文化

    天ぷらを作ろう


     サーターアンダギーは沖縄土産として袋や箱に入って簡単に手に入ります。ホットケーキミックスのように、水で溶いて揚げるだけの粉も販売され、今や手軽で身近な沖縄のお菓子です。
     でも山口淳子さんと作るサーターアンダギーは一味も二味も違います。そもそも宮古島ではさたぱんぴんや天ぷらと言います。
     サーター(那覇方言)・さた(宮古方言)が砂糖、アンダギー(那覇方言)・ぱんぴん(宮古方言)が揚げ物を意味し、砂糖の天ぷらということです。

     揚げ物であることは納得してもなお、砂糖というよりは小麦粉じゃない?と思われるかもしれません。それはやはり砂糖がとても貴重だったから。口を開けて笑っているように見えるということで、結婚式などお祝いの時に使われる縁起の良いお菓子でした。
     淳子さんはハレの日にお母様が作る天ぷらの味を、楽しく華やかなイメージと共に記憶し引き継いでいます。

    山口順子さん

     淳子さんが使う鍋にも共に歩んできた歴史が詰まっています。戦後品薄だった当時、米軍から市場に出回った鍋を、ドル立てで2万円もの高額で手に入れます。良いものであることは差し置いても、大切に手入れして使っているから美しいままで、話を聞かなければ年季の入った鍋だとはわからないくらいです。

     こだわりの黒糖(多良間島産のかち割り純黒糖)と小麦粉を混ぜて生地を作り、油で揚げていきます。
     淳子さんのテンポ良く無駄なく自然な動きは、熟練の寿司職人が揃ったシャリを仕上げるようで、揚がってくる天ぷらの大きさや形、割れの入り方がすべて整っていて美しい。

     いざ真似をしてみると、見るとやるでは大違いで、生地が手にまとわりついてうまく外れない(汗)。粘土と格闘の様相を呈した末に、サイズも形もちぐはぐな天ぷらが鍋に浮かびます。
     淳子さんはそれでも油の温度と揚げ時間を調整して美味しく仕上げ、「むしろ味があって良い」と褒めたりして、一緒の時間を存分に楽しませてくださいます。淳子さんと作る天ぷらは、歴史の深みとやさしさに包まれた格別の美味しさです。

    訪問先ショートムービー

    体験スポット名さたてんぷら作り体験
    滞在時間45分
    備考・注意点油で揚げる工程は火傷の恐れがあるため希望の方のみ要相談(成人)

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